抗がん薬治療をサポートする「薬剤師外来」のご案内
「薬剤師外来」
〜患者さんの治療をもっと安心・安全に〜
がん治療は入院だけでなく通院で行う「外来がん化学療法」も広く行われるようになってきました。日常生活を続けながら治療を受けることは大きなメリットですが、一方で、副作用を最小限に抑えながら治療を続けることが求められます。
当院では、外来でがん化学療法を受けるすべての患者さんに薬剤師が積極的に関わる体制を整えています。「薬剤師外来」はその取り組みの一つであり薬の専門家である薬剤師が診察の前後に患者さんのお話を伺い、副作用の確認や薬の使い方についてアドバイスを行う場です。
例えば、薬によって現れやすい吐き気や倦怠感、口内炎などの副作用について「いつから症状が出たのか」「日常生活にどの程度影響しているか」など、患者さんの声を丁寧に聞き取ります。必要に応じて医師に処方の提案したり栄養士と連携して食事のアドバイスを行ったりしています。
また、体重の減少や食欲不振、筋力の低下など、がん悪液質(がんに伴う体重減少や筋力低下などの状態)の早期発見にも力を入れています。これらの症状は気づかないうちに進行してしまうことがあるため、診察前の薬剤師との面談で状態をチェックし必要があれば医師に対策を提案します。
このように、薬剤師外来では治療を安全かつ確実に継続するためのサポートを行っています。2024年度からは薬剤師が診察前に行う面談が医療制度上でも評価され「がん薬物療法体制充実加算」という新しい制度が始まりました。
また、当院では近隣の保険薬局とも連携し、患者さんの体調や副作用の情報を共有しながら地域全体で支える体制を整えています。がんの治療はひとりで頑張るものではありません。医師、看護師、薬剤師、栄養士など、さまざまな専門職がチームとなって患者さんの治療を支えています。「薬剤師外来」は、その中でも特に「薬と生活のつながり」をサポートする存在です。気になることがあれば、どうぞ気軽にお声かけください。