JR札幌病院
〒060-0033 札幌市中央区北3条東1丁目

病院の取組み

摂食嚥下障害対策チーム

当院でも、摂食嚥下障害のある患者さんを診察する機会が増えてきました。摂食嚥下障害は、脳血管疾患のみならず、高齢、認知症、神経筋疾患、周術期絶食の影響などが原因で生じることがあります。嚥下障害があると、栄養摂取が不良となり、誤嚥や肺炎の危険性が増します。何より、食べる楽しみが失われると、QOL(生活の質)が低下するのが大きな問題です。摂食嚥下障害は原因が多様で、対処法も多岐にわたるため、単独の診療科で対処するのが困難な疾患の一つです。

摂食嚥下障害が疑われる患者さんとは・・・・

  • 食事中や食後に『むせこみ』『咳』『痰』が多い
  • 口やのどに食べ物が残る感じがする
  • 硬い物が食べにくくなった
  • 口から食べ物や唾液がこぼれる
  • 食物や胃液が胃からのどに戻ってくる感じ
  • 口腔内の乾燥が著しい
  • 過去に誤嚥があった
  • 肺炎(発熱)を繰り返す
  • 脱水・低栄養状態。拒食がある
  • 食べるのが遅くなった。食事時間が1時間以上
  • 最近やせてきた。体重減少
  • 声がかすれてきた

当院では、障害のある患者さん、その疑いのある患者さんに対して、より質の高い医療を提供するために、多職種連携によるチームアプローチの特徴を生かして、総合的かつ多面的に、診断・治療・支援に取り組んでいます。

摂食嚥下障害対策チームは、主治医、担当看護師、リンクナース、耳鼻咽喉科医師、耳鼻咽喉科看護師、歯科口腔外科医師、歯科衛生士、放射線技師、管理栄養士、言語聴覚士、理学療法士、作業療法士、呼吸器内科医師(アドバイザー)らで構成されています。

水飲みテスト、反復唾液嚥下テスト、嚥下内視鏡検査、嚥下ビデオX線検査、胸部X線、血液検査などの検査により、診断・摂食状況のレベル評価・目標設定を行います。

治療と訓練は、口腔ケア、歯科治療、機能訓練、間接的嚥下訓練、直接的嚥下訓練、姿勢調整、摂食介助などで、定期的にミールラウンド(実際の食事の様子を評価)を実施し、適切な形態の食事提供することで栄養を管理しています。

私達チームの目標

  1. 誤嚥性肺炎の発症を予防する
  2. より普通食に近い形態の食物を口から摂取していただく
  3. 食べることの喜びを感じていただく
  4. 栄養状態を改善する

その他

当院は急性期病院のため、短期入院の方が多いのですが、短期間といえども摂食嚥下の評価と訓練を行っておくことが、その後の自宅や施設などでのQOLの維持・改善に非常に重要です。

当院での検査結果、治療経過、訓練内容、食形態などを転所先でも継続して情報共有できるようにシステムを構築中です。

その一環として、2018年6月には、これまで提供していた嚥下食を見直し、全国標準の日本摂食嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類2013に改め、継ぎ目のない食支援が可能となりました。

また、外来においても、摂食嚥下に何らかの問題や悩みを抱えている患者さんの診察・訓練を行います。摂食嚥下障害にかかわる施設や関係者の皆さんとは、今後さらに連携強化や情報交換をお願いしたいと存じます。