特徴・特色
食道、胃、大腸などの消化管疾患と肝臓・胆道・膵臓疾患の専門医が所属しており、ほぼ全ての消化器疾患に対応可能です。
胃内視鏡検査では、苦痛の少ない経鼻内視鏡の選択も可能です。また、鎮静(麻酔)薬を使用した胃および大腸内視鏡検査も希望により実施しています。内視鏡的逆行性膵胆管造影検査、超音波内視鏡検査およびそれらを利用した治療手技も行なっております。また、最新のカプセル内視鏡も導入しております。内視鏡室は専任の看護師が勤務しており、緊急時にも対応できます。血管造影や超音波検査を利用したIVR(インターベンショナルラジオロジー;画像下治療)も行なっております。各種消化器がんに対する化学療法についても経験豊富です。
入院病棟は消化器内科と同一フロアに消化器外科が配置され、内科外科で垣根なく消化器疾患の診療を行なっております。
われわれは以下の3つの目標を掲げ、チームとして消化器診療に携わります。
- 医学の進歩に即応する柔軟な姿勢
- 根拠に基づく患者中心の医療の実践
- トップレベルの診断と治療
診療内容の概要
このような症状のある方を診ています
- 胃痛、みぞおちから胸にかけての痛み、胸やけ
- 食べたものがつかえる、胃がむかむかする、食べたものを吐く、血を吐く
- 食欲がない、体重が減った
- お腹が痛い、お腹がはって苦しい、背中や肩にも痛みがある
- 下痢、便秘、下痢と便秘を繰り返す、緊張するとお腹が痛くなる
- 便の異常:真っ赤な便、血が混じった便、赤黒い便、タールのような黒い便、粘液が混じった便、ウサギの糞のような便
- 身体がだるい、身体が黄色くなった、以前のようにお酒を飲めなくなった
- 人間ドックやがん検診などのバリウム検査、内視鏡検査、便潜血検査で異常を指摘された方、血液検査で貧血、肝臓の異常、ピロリ菌の疑いを指摘された方
消化器内科で診ている主な疾患
- 上部消化管疾患:胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、機能性ディスペプシア、ポリープ、食道静脈瘤
- 下部消化管:慢性便秘、大腸ポリープ、腸閉塞、感染性腸炎、虚血性腸炎、潰瘍性大腸炎、クローン病、過敏性腸症候群
- 肝疾患:急性肝炎、慢性肝炎、自己免疫性肝炎、脂肪性肝炎、脂肪肝、肝硬変、原発性胆汁性胆管炎
- 膵・胆道疾患:胆石、胆管結石、急性胆嚢炎、胆嚢ポリープ、急性膵炎、慢性膵炎
- 悪性腫瘍:食道がん、胃がん、大腸がん、肝臓がん、胆嚢がん、胆管がん、膵がん、嚢胞性膵腫瘍、GIST(消化管間質腫瘍)、消化管悪性リンパ腫
消化器内視鏡診療について
病気の診断は外来受診から始まりますが、検査への恐怖や不安から受診が遅れてしまうことがあります。
胃内視鏡検査では喉の反射が強い方は経鼻内視鏡も選択できます。鎮静(麻酔)薬を使用した胃や大腸内視鏡も行っています。
患者さんの苦痛がより少ない高度な技術の習得を目指し、医師、内視鏡技師、看護師、検査助手が協力して安全に検査・治療にあたっています。
内視鏡は、がんの治療にも大きな役割を担っています。早期がんではEMR(内視鏡的粘膜切除術)やESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)といった内視鏡治療が行われます。
進行がんでは、消化管や胆道が狭くなり食物が流れて行かなくなったり、黄疸で身体が黄色くなったりすることがあります。このような場合には、バルーン拡張術や、ステント留置術などの内視鏡的治療を行っています。
消化器がん診療について
がんの治療は「がんを治す治療」と「がんに由来する症状を緩和する治療」から成り立っています。
がんの治療には、手術・放射線・抗がん剤の3つの方法がありますが、消化器内科は前述の内視鏡治療(手術)と抗がん剤治療を担当します。
例えば外科手術で取りきれない場合は、残念ながらがんを治せる可能性は低くなってしまいますが、「がんを患っていても、さまざまな症状を和らげて今までどおりの生活をできるだけ長く過ごすこと」を治療の目標として抗がん剤治療を行います。
その際、治療の目標が患者さんの状態により刻々と変化することに気をつけて診療を行います。
病状の進行によって抗がん剤治療が患者さんにとって不利益となるような場合でも、医師と患者さんの間で十分なコミュニケーションをとり、治療の目標をリアルタイムに共有して、その時々に最も適した治療法を選ぶことを実践しています。
炎症性腸疾患診療について
主に潰瘍性大腸炎とクローン病という2つの疾患があります。ヒトの免疫機構が異常をきたし、自分の免疫細胞が腸の細胞を攻撃してしまうことで腸に炎症を起こす病気で、患者さんは慢性的な下痢や血便、腹痛などの症状を伴います。
若い方がかかりやすく、最近患者さんの数が増えている疾患です。
これらの炎症性腸疾患に対しては、札幌医科大学付属病院と連携して分子標的治療薬などを用いた最新の治療を行っています。