JR札幌病院
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私たちが取り組んでいる
検査と治療

鶴間 哲弘先生
外科・消化器内科

大腸がん

JR札幌病院では、最新のEBM(医学的根拠)に基づいて、消化器内科と外科が連携し、患者さんのQOL(生活の質)を第一に考えた診療に取り組んでいます。

監 修
JR 札幌病院 副院長 外科・こう門外科・乳腺外科
外科診療部長/地域医療連携センター長
鶴間 哲弘先生

JR札幌病院が取り組む「大腸がん」診療

  • 排便時、便に血が混じる
  • 大腸がん検診(便潜血検査)で異常を指摘されたことがある場合には 外科・消化器内科を受診してください。

1.大腸がんとは

  • 大腸がんは、結腸がん(盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸)と、直腸がん(直腸S状部、上部直腸、下部直腸)を総称して大腸がんといいます。
  • 早期には特徴的な自覚症状がないことから進行がんとして発見される例は少なくありません。
  • 大腸がんは、食生活の欧米化(高脂肪・低食物繊維)等により、最も罹患数が多く、女性においては、がんによる死亡原因の第1位になっています。

2.大腸がんの検査・診断

3.大腸がんのステージ(病期)分類と治療の選択肢

大腸がんの治療選択にあたっては、ステージ(病期)、全身状態、年齢、合併症等から総合的に判断します。

ステージ0がんが粘膜内に限局
ステージⅠがんが固有筋層に限局
ステージⅡがんが固有筋層の外に浸潤
ステージⅢリンパ節転移がある
ステージⅣ他臓器転移または腹膜播種がある

4.大腸がんの治療

JR札幌病院では、
「フルハイビジョン3D腹腔鏡」の導入により、
より正確で安全な手術が可能となりました。

フルハイビジョン3D腹腔鏡は、執刀医が3Dメガネをかけることで、腹腔内の画像を3D(立体)で見ることができ、狭い骨盤内での直腸がん等の手術においては、血管や神経等の処置を正確に安全に、行うことが可能です。

確実なリンパ節郭清、腸管吻合を確認する
ために「ICG蛍光法」を導入しています。

  • 大腸がんの手術は「がんの切除」「転移の可能性のあるリンパ節の郭清」「切除した腸管をつなぐ吻合」という流れで行います。
  • その際、ICGという薬剤をがんの近傍に局所投与すると、手術中にリンパ流とリンパ節を発光させ可視化できますので、確実なリンパ節郭清が可能となりました。
  • また、ICGを血液中に投与すると、腸の吻合部(つなぎ目)の血流をリアルタイムに蛍光発色させることができるので腸管血流の評価が容易に行えるようになりました。

(注)リンパ流の可視化については、現在は未だ臨床研究段階の技術です。

5.進行・再発大腸がんに対する集学的治療

  • 進行した大腸がんに対しても、がんの部位、進行度に応じて、手術前、手術後に薬物療法や放射線療法を組み合わせて行う集学的治療によって、手術によるがんの完全切除率や、生存率を向上させることが可能です。
  • 薬物療法においても、大腸がんの発生に関係するドライバー遺伝子(RAS遺伝子やBRAF遺伝子)の特定によって、新規の分子標的治療薬(抗VEGF抗体薬や抗EGFR抗体薬)等が開発され、進行・再発大腸がんの患者さんの予後延長に寄与しています。

進行大腸がんには、下記薬剤を組み合わせて実施